ゲイリー助川エッセイ集

気まぐれにエッセイを書き綴ります♪

かましたオナラの風向き

 昨日の投稿で肛門科関係の話を締めたつもりでいたが、激痛のまま病院に駆け込んだ話の続きを記載していなかったので、綴っていきたい。

 激痛の中、何とか自転車で病院にたどり着いた僕は意を決して病院へと入っていった。個人病院ということもあり、コロナの影響で患者さんは僕ともうひとりしかいないという絶好の環境。見た感じ診察室は一つしかないので、肛門科と書かれた部屋から「ゲイリーさん、中へどうぞ」などと声をかけられることもない。これが総合病院とかなら視線をいっしんに浴びて診察室に向かうことになるので、なかなかに恥ずかしい思いをすることだろう。そういった心配はなさそうだ。こうなると気がかりなのは分娩室さながらの高台があるのかどうかだ。高台に横たわり、足を引っ掛けて肛門をご開帳するスタイルだけはなんとしても避けたい。

僕の名前が呼ばれていよいよ「戦場」に向かうと、ざっと見た感じ、分娩室さながらの高台は見当たらない。いやいやそれでもカーテンで仕切られた向こう側から急に高台が運ばれてくるということもあるはずだ。油断はできない。そんな色々を考えていたところに医師の先生が

「じゃあ、そこに横になって」とベッドに横たわるように指示をすると、今度は看護師さんが「パンツを下ろして膝を抱え込むようにしてください」

よかった。丸見え御開帳ではない。大腸内視鏡と同じスタイルだった。

「じゃあ入れますよー」と指を入れられてこねくり回されると「ん?」という声が聞こえた。

お医者さんの「ん?」ほど怖いものはない。痔を通り越して直腸がんでも見つかってしまったのかと勘ぐってしまう。

「う〜ん、これは前からイボができたんじゃなくて完全に急性やね」

結局は痛み止めの薬と塗り薬をもらって帰った。

この日から2週間が経ち、痛みはほぼ引いたものの、イボはひと回り小さくなったまま君臨したままだ。困ったのは相変わらずかましたオナラの風向きがいつもと違うこと。南西の風ともいうべきだろう、左の太ももの裏側にあたってくる。これがなかなかに気持ち悪い。早くまっすぐに吹いてほしいものだ。

これでイボ痔はいつか完治することになるだろう。ただ気がかりは切れ痔である。イボ痔と切れ痔は違うものと先生も言っていた。今度は切れ痔でお世話になるかもしれない。