ゲイリー助川エッセイ集

気まぐれにエッセイを書き綴ります♪

ミニコラム―「上級国民」から「錠久」国民へ

 ここ2日間くらいで「上級国民」というワードをいくつも目にした。

例の元通産省幹部だった飯塚被告の裁判があったのでこのワードを多く目にしたこともあるが、その他に女優の綾瀬はるかさんが新型コロナに感染して入院したことでもどういうわけか「上級国民」などと騒がれた。

今回飯塚被告が上級国民などと騒がれたのは逮捕されなかったことが発端のようだ。元通産省の幹部だったということでそのように騒がれたが、そもそも上級国民なんてものは存在しないといっていい。一体全体何をもって上級なのかという定義も存在していないからだ。

上級国民というと、多くの方が権力者だからとか金持ちだからとかを想像するかと思う。でもそうだとすると権力者であってもさっぱり被害者に誠意をみせない飯塚被告のように、人間的に大丈夫か?という人が「上級」でいいのか、はたまた金持ちでも詐欺で稼いで金持ちになった人間も「上級」なのかという話になってくる。なので、国民全員が「一般国民」でいいのではないだろうか。

 ところで、綾瀬はるかさんが入院されたことについて、これだけコロナ感染者が増えて入院できない人がたくさんいる中で、入院できているのはおかしいということで「上級国民だから」と騒がれているが、このことについて堀江貴文さんが「医者や病院などのコネがなくてもお金を積めば入院させてくれるところはあると思う」とTwitterで述べている。

 おそらく堀江さんほどの情報網が恐ろしく張り巡らされた方が仰っているかぎりそういった事例はあるんだろう。ただ、このことについて「やっぱり金か!金を積んだ奴を優先するのか」といった批判も出てくることだろう。

 しかし、日本という国が金持ちに有利になるような国運営をしている以上、金を積んだ人間を優先にするのは当たり前だといっていい。これは何も日本だけでなく、資本主義国家である国はほとんどがそうだ。「一般国民」でも金持ちが圧倒的に有利な世の中なんである。こんなことはもう誰でも気づいているはずだ。

 それをどうのこうの批判すること自体がおかしい話であって、批判する暇があるならば、せっせと金を稼ぐ勉強をするなり働くなりすればいい。だからといって詐欺を謀ってでも金を掴んだらいいというわけではないが、努力はしなくてはいけないだろう。こういった批判する人間に限っていざ目の前に大金を積まれたら目の色変えて寝返ったりする。「だまれ貧乏人」などと叫んだりするはずだ。

 かく偉そうに著述している僕はどうなのかというと、さっぱり金のないサラリーマンだ。だからといって批判したりはしない。今にみてろと思っているだけだ。